自分の農地が「青地だから難しい」と言われたものの、何のことか分からず戸惑っていませんか。この記事は、青地・白地の違いと、青地を白地にする手続きを知りたい方に向けたものです。
両者の違いは、農用地区域に入っているかどうかです。 農用地区域内(通称「青地」)は転用の前に区域から除外する手続き(農振除外)が必要になり、区域外(通称「白地」)は農振除外が不要で、農地法の手続きだけになります。青地を白地にする手続きが、この農振除外です。
ただし、この2語は法令用語ではありません。 農業振興地域の整備に関する法律(農振法)の条文に「青地」「白地」は使われておらず、条文が定めているのは「農用地区域」です(2026年8月14日に条文全文で確認)。
したがって、確認すべきは「自分の農地が農用地区域に入っているか」です。 農用地区域内であれば、転用の前に農用地区域から除外する手続き(農振除外)が必要になります。農振法13条2項は、この除外のための計画変更を6つの要件の「全てを満たす場合に限り」できると定めています。
「青地」「白地」という言い方は窓口や実務で使われますが、指す範囲が地域や文脈で異なることがあります。 一般には「青地=農用地区域内」を指して使われますが、当サイトでは条文の用語である「農用地区域」で説明します。 通称の意味を前提に話を進めず、管轄の窓口へ「農用地区域に入っていますか」と確認してください。
条文が定めているもの
農業振興地域整備計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。一 農用地等として利用すべき土地の区域(以下「農用地区域」という。)及びその区域内にある土地の農業上の用途区分
出典:農業振興地域の整備に関する法律8条2項1号(2026年8月14日確認)
農用地区域は、市町村が農業振興地域整備計画で定めます。 つまり「青地かどうか」は、その土地が計画上どう位置づけられているかの問題です。
青地と白地の違い

| 農用地区域内(通称「青地」) | 農用地区域外 | |
|---|---|---|
| 条文上の呼び方 | 農用地区域 | (農用地区域以外の区域) |
| 転用の前提 | 農振除外が必要 | 農振除外は不要 |
| 農地法の許可・届出 | 除外後に必要 | 必要 |
| 開発行為 | 農振法15条の2の許可が必要 | 農振法の開発行為の制限はかからない |
農用地区域外でも、農地法の手続きは別に必要です。 「白地だから自由に使える」わけではありません。市街化区域内なら農地法4条・5条の届出、市街化調整区域内なら許可になります。手続きは農地を転用したい方へで整理しています。 どの条の手続きになるかは農地法とは|3条・4条・5条の違いをご覧ください。 はじめて調べる方は農地法をわかりやすく|なぜ許可が要るのかをご覧ください。 3類型の判定表とケース別の当てはめは農地法3条・4条・5条をご覧ください。
青地では開発行為そのものが許可制です
農地法とは別に、農振法にも制限があります。
農用地区域内において開発行為(宅地の造成、土石の採取その他の土地の形質の変更又は建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築をいう。以下同じ。)をしようとする者は、あらかじめ、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事(〔中略〕指定市町村の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。
出典:農振法15条の2第1項
「開発行為」の範囲が広い点に注意してください。 宅地の造成だけでなく、土石の採取、土地の形質の変更、建築物その他の工作物の新築・改築・増築が含まれます。
例外もあります。 同項は、国または地方公共団体が道路・農業用用排水施設等のために行う行為、土地改良法2条2項の土地改良事業の施行として行う行為などを除外しています。
青地を白地にする(農振除外)の要件
農振法13条2項は、農用地区域からの除外について「全てを満たす場合に限り」できると書いています。
前項の規定による農業振興地域整備計画の変更のうち、農用地等以外の用途に供することを目的として農用地区域内の土地を農用地区域から除外するために行う農用地区域の変更は、次に掲げる要件の全てを満たす場合に限り、することができる。
出典:農振法13条2項
6つの要件は次のとおりです。
| # | 要件(条文の要旨) |
|---|---|
| 1 | 農用地区域以外の土地では代えることが困難であり、その用途に供することが必要かつ適当であること |
| 2 | 地域計画の達成に支障を及ぼすおそれがないこと |
| 3 | 農用地の集団化、農作業の効率化その他の効率的・総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと |
| 4 | 効率的かつ安定的な農業経営を営む者への農用地の利用の集積に支障を及ぼすおそれがないこと |
| 5 | 農用地区域内の施設の機能に支障を及ぼすおそれがないこと |
| 6 | 該当する土地の場合、農業に関する公共投資により得られる効用の確保の観点から政令で定める基準に適合すること |
「1つでも欠ければできない」という構造です。 特に要件1は、他の場所では代えられないことの説明を求めるものです。
横浜市では、申し出られる時期が限られます
除外の申し出は、いつでも受け付けているわけではありません。
横浜市は農業振興地域整備計画の変更について、次のように案内しています。
| 種類 | 頻度 |
|---|---|
| 定期的な変更(基礎調査の結果により行う) | おおむね5年ごと |
| 随時的な変更(それ以外の理由により行う) | 1年に2回程度 |
「定期的な変更の期間は随時的な変更は受け付けられません」とされています。
出典:横浜市「農業振興地域制度」(2026年8月13日確認)
計画から逆算する必要があります。 除外が必要な土地では、農地法の許可より前に、この受付時期が制約になります。
自分の農地が青地かを調べる
地番を調べたうえで、農政事務所へ問い合わせます。 横浜市には農業振興地域制度が適用されています。
| 事務所 | 電話 | 管轄 |
|---|---|---|
| 北部農政事務所 | 045-948-2477 | 鶴見、神奈川、保土ケ谷、旭、港北、緑、青葉、都筑 |
| 南部農政事務所 | 045-866-8491 | 西、中、南、港南、磯子、金沢、戸塚、栄、泉、瀬谷 |
地番の調べ方は農地の地番の調べ方で整理しています。
横浜市では、公表分の35.0%が青地です
当サイトでは、eMAFF農地ナビで公表されている横浜市の農地32,259筆を集計しました。
| 農振法上の区分 | 筆数 | 割合 |
|---|---|---|
| 設定なし | 20,975 | 65.0% |
| 農業振興地域内・農用地区域内(青地) | 11,283 | 35.0% |
| 農業振興地域内・農用地区域外(白地) | 1 | 0.0% |
公表分では「白地」が1筆しかありません。 横浜市の農地は、青地か、農振法の設定がないかのどちらかにほぼ分かれています。「青地か白地か」という二択で考えると、実態と合いません。
この集計には限定条件があります。 eMAFF農地ナビは「※市街化区域内の農地は、農地法上、非公表とされています。」と明記しており、上記は横浜市の農地の全数ではありません(2026年8月13日取得)。区別の筆数や地目の内訳は横浜市の農地データをご覧ください。
青地だと分かったときの進め方

青地と分かった場合、確認する順序は次のとおりです。
- 除外が本当に必要かを確認する — 用途によっては、農用地区域内でも農業用施設として扱える場合があります
- 申し出られる時期を確認する — 横浜市の随時的な変更は1年に2回程度で、定期的な変更の期間中は受け付けられません
- 農地法の手続きに進む — 横浜市は農地転用許可権限に係る指定市町村で、許可権者は市長です。申請の受付〆切は毎月10日(土日祝日の場合は前営業日)、許可書発行は申請月の翌月下旬頃とされています(横浜市「農地法第4条・第5条の許可(届出)」、2026年8月13日確認)
除外と転用は別の手続きであり、期間も別に積み上がります。 設備の契約や造成工事を先に進めないでください。転用できない土地の条件は農地転用できない土地の条件で整理しています。
よくあるご質問
「青地」「白地」は法律上の言葉ですか。
いいえ。農業振興地域の整備に関する法律の条文に「青地」「白地」という語は使われていません(2026年8月14日に条文全文で確認)。条文が定めているのは「農用地区域」です。通称の指す範囲は地域や文脈で異なることがあるため、確認は「農用地区域に入っているか」で行ってください。
青地の農地は転用できませんか。
まず農用地区域から除外する手続きが必要になります。農振法13条2項は、除外のための計画変更を6つの要件の「全てを満たす場合に限り」できると定めています。除外後に、農地法の許可または届出へ進みます。
農用地区域に入っていなければ自由に使えますか。
いいえ。農振除外は不要ですが、農地法の手続きは別に必要です。市街化区域内なら4条・5条の届出、市街化調整区域内なら許可になります。
農振除外はいつ申し出られますか。
自治体によります。横浜市は、定期的な変更をおおむね5年ごと、随時的な変更を1年に2回程度としたうえで、「定期的な変更の期間は随時的な変更は受け付けられません」と案内しています。時期は農政事務所へご確認ください。
自分の農地が青地かどうかは、どこで分かりますか。
地番を調べたうえで、横浜市の北部農政事務所(045-948-2477)または南部農政事務所(045-866-8491)へお問い合わせください。管轄は区によって分かれています。
青地では建物を建てられませんか。
農振法15条の2は、農用地区域内での開発行為(宅地の造成、土石の採取その他の土地の形質の変更、建築物その他の工作物の新築・改築・増築)について、あらかじめ都道府県知事等の許可を受けなければならないと定めています。国や地方公共団体が行う一定の行為、土地改良事業の施行として行う行為などは例外とされています。
ご相談について
青地かどうかが分からない段階でもご相談いただけます。 地番と現況写真をお送りいただければ、確認すべき窓口と順序を整理します。
無料の一次診断からお申し込みいただけます。手続き全体の流れは農地を転用したい方へをご覧ください。









