自分の農地の地番・場所が分からないときの調べ方

自分の農地の地番・場所が分からないときの調べ方

相続した農地がどこにあるのか、地番すら分からない。そんな状態からでも、手元の書類を起点に調べる方法があります。土地の特定から始めたい方に向けた記事です。

農地の地番が分からないときは、手元の納税通知書 → 区役所の名寄帳 → 法務局の登記事項証明書 → 公図、の順で特定していきます。

注意が要るのは、課税明細書に載っていない土地がある点です。固定資産税には免税点があり、下回ると課税されないため、明細だけを見て「これで全部」と判断できません。

地番が分かれば、eMAFF農地ナビで地目・面積・農振法区分などを無料で確認できます。 ただし市街化区域内の農地は非公表のため、載っていない土地もあります。

目次

まず「住所」と「地番」を分ける

自分の農地の地番を調べる5つの方法を示した図。1.固定資産税の納税通知書を見る、2.区役所で名寄帳を取る、3.登記事項証明書で権利関係を確かめる、4.eMAFF農地ナビで区分まで確認する、5.公図と現地を照合する

郵便物に使う住所と、土地登記で使う地番は別の番号です。住居表示が実施された地域では一致しません。農地には建物がなく郵便上の住所を使わないため、家族が場所を知っていても地番が分からないことがあります。

登記事項証明書は、土地の所在と地番を特定して請求します。現地の目印だけでは請求できません。反対に、地番が分かっても、公図上の細い筆や道路から離れた土地では現地を見つけにくいことがあります。

「書類上の特定」と「現地での特定」を二段階で進めてください。

まず手元の資料を集め、地番候補を一覧にします。口頭で聞いた番号は、丁目、字、番、枝番が欠けていないか確認してください。

1. 固定資産税の納税通知書を見る

納税通知書や課税明細書には、所有する土地の所在、地番、地目、地積などが記載されます。複数の土地がある場合は、「田」「畑」だけでなく現況との違いも考えて全件を確認します。

ただし、ここに載らない土地があります。

地方税法351条は、土地の課税標準額が30万円に満たない場合は固定資産税を課することができないと定めています(免税点)。横浜市ではこの判定単位が「同一区内」です。 横浜市市税条例43条は次のとおり定めています。

同一区内に、所有する土地、家屋又は償却資産に対して課する固定資産税の課税標準となるべき額が、土地にあっては300,000円、家屋にあっては200,000円、償却資産にあっては1,500,000円に満たない者に対しては、その土地、家屋又は償却資産に対する固定資産税を課さない。

区ごとに判定されるため、一方の区の合計だけが免税点を下回れば、その区の土地には課税されません。 課税されない土地が明細書にどう記載されるかは自治体の様式によるため、明細だけで完結させないでください。

共有地では、代表者だけに通知が届いている場合もあります。

2. 区役所で名寄帳を取る

手元の書類が見つからないときは名寄帳です。 横浜市の「名寄帳兼(補充)課税台帳」は、納税義務者ごとに固定資産をまとめた資料で、固定資産の所在する区の区役所で取り扱うと案内されています。

ただし横浜市は、名寄帳について非課税物件は記載されないとしています。名寄帳だけで全件を押さえられるとは限らないため、登記情報や権利証ともあわせて確認してください。

請求できる人や必要書類は立場によって異なります。相続人として請求するときは、戸籍などの必要書類を事前に窓口へご確認ください。

市町村をまたいで所有している土地は、自治体ごとに資料を確認する必要があります。親の住所地だけを調べて終わらせず、権利証、遺産関係の書類、過去の農業委員会通知からも所在地の候補を拾ってください。

3. 登記事項証明書で権利関係を確かめる

地番が分かったら、法務局で登記事項証明書を取得します。表題部で所在・地番・地目・地積を、権利部で所有者・共有持分・抵当権などを確認します。固定資産税資料の名義と登記名義が一致しないこともあります。

手数料は法令で定められており、どこの法務局でも同じです。

書類請求方法手数料
登記事項証明書書面請求1通 600円
オンライン請求・送付1通 520円
オンライン請求・窓口交付1通 490円
地図等証明書(公図など)書面請求500円
オンライン請求・送付470円
オンライン請求・窓口交付440円

出典:法務局「主な手数料一覧【令和7年4月1日~】」(2026年8月13日確認)

筆数が多い土地では、オンライン請求との差が出ます。 ただしオンライン請求でも正確な地番が必要です。

登記情報が古い名義のままなら、戸籍をたどって相続人を確認します。登記を見ただけで現在の権利者が一人に決まるとは限りません。 名義の整理は農地の相続で名義変更(相続登記)を進める手順をご覧ください。

4. eMAFF農地ナビで区分まで確認する

地番が分かった段階で使えるのが、農林水産省のeMAFF農地ナビです。 地図上で農地を探し、選択した農地について次のような情報が表示されます。

  • 所在・地番
  • 地目、面積
  • 地域区分
  • 農振法区分(農用地区域に入っているか)
  • 都市計画法区分(市街化区域か市街化調整区域か)
  • 所有者の農地に関する意向

ただし、載っていない農地があります。 同サイトは「※市街化区域内の農地は、農地法上、非公表とされています」と明記しています。検索して出てこなくても、農地でないとは限りません。

出典:eMAFF農地ナビ(2026年8月13日確認)

横浜市の農地は、どのくらいの大きさか

当サイトでeMAFF農地ナビの公表データ(横浜市内 32,259筆)を集計したところ、1筆あたりの面積の中央値は462㎡(約140坪)でした。 集計の全体と限定条件は横浜市の農地データ(32,259筆の集計)で公開しています。

面積帯割合
100㎡未満13.8%
100〜300㎡21.6%
300〜500㎡17.7%
500〜1,000㎡27.0%
1,000〜3,000㎡18.9%
3,000㎡以上1.1%

500㎡(約150坪)未満が53.1%を占めます。 地目は畑が90.0%、田が9.7%でした。

農振法区分では、農用地区域内(青地)が35.0%です。青地に当たると転用の前に農用地区域から外す手続きが必要になり得るため、地番が分かった段階で確認しておく価値があります。 青地・白地の違いと除外の要件は農地の「青地」「白地」とはで整理しています。

集計対象は上記のとおり公表分に限られ、市街化区域内の農地は含まれません(出典:eMAFF農地ナビ 公表データ、2026年8月13日取得)。

ここまで分かれば、相談の内容が具体的になります。 区分ごとの意味は農地を転用したい方へ|横浜市での進め方市街化調整区域の農地をお持ちの方へで整理しています。

5. 公図と現地を照合する

公図は、土地の筆ごとの配置や地番を示す図面です。登記事項証明書で確認した地番が、道路や水路、隣接地とどのような位置関係にあるかを見ます。公図だけでは現地の距離や境界位置を正確に示せない場合があるため、航空写真や住宅地図も補助的に使います。

現地では、公図上の道路、角地、水路、鉄塔など変わりにくい目印から照合します。草木で境界標が隠れている可能性もあります。

境界を確定する必要がある場合は、土地家屋調査士へご相談ください。 スマートフォンの位置情報だけで境界を決めることはできません。

農地が細かく分かれていると、一つのまとまりに見えても複数筆のことがあります。草刈りや活用の相談では、対象の筆を落とさないよう地番一覧と公図をセットにしてください。

よくあるご質問

農地の地番はどこで調べられますか。

固定資産税の納税通知書・課税明細書に記載されています。手元にない場合は、固定資産の所在する区の区役所で名寄帳を請求してください。横浜市では「名寄帳兼(補充)課税台帳」として取り扱われています。

課税明細に載っていない土地があるようです。

固定資産税には免税点があります。地方税法351条は土地について30万円としており、横浜市市税条例43条はこれを同一区内で判定すると定めています。下回れば課税されないため、名寄帳や登記情報でも確認してください。

地番から場所を地図で見られますか。

農林水産省のeMAFF農地ナビで、地図上から農地の所在・地番、地目、面積、農振法区分、都市計画法区分などを確認できます。

登記事項証明書はいくらですか。

書面請求で1通600円、オンライン請求・送付で520円、オンライン請求・窓口交付で490円です(2026年8月時点)。地図等証明書はそれぞれ500円・470円・440円です。

現地に行っても境界が分かりません。

境界の確定が必要な場合は土地家屋調査士へご相談ください。公図や位置情報だけで境界を決めることはできません。

遠方に住んでいて現地に行けません。

書類上の特定までは遠方からでも進められます。現地の確認と作業をあわせて依頼する方法もあります。

遠方の場合は記録を仕組みにする

遠方の農地は、一度場所を確認した後も、現地写真に撮影方向と地番を書き添えてください。 進入路、隣地との目印、車両が止められる位置も記録します。家族や管理業者が代わっても同じ土地へ行ける資料になります。

場所が分からない段階で作業を依頼すると、別の土地を刈る危険があります。 少なくとも地番と現地の目印を一致させてから依頼してください。

巡回や連絡体制の考え方は横浜の農地を遠方から相続・所有している方へで整理しています。

土地の候補が複数あり、どの資料から確認すべきか迷う方は、納税通知書や地番情報をもとに無料一次診断で整理できます。

本記事は手続きの一般的な進め方をご説明するものです。境界の確定は土地家屋調査士、登記は司法書士がそれぞれ担当します。当サイトはこれらの手続きを代理するものではありません。記載内容は2026年8月時点の情報に基づきます。

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この記事を書いた人

横浜市周辺の農地・市街化調整区域の土地について、国や自治体が公表している情報をもとに、所有者の方がまず確認すべきことを整理して発信しています。登記・許認可・測量・税務・売買の各手続きは、それぞれの分野の専門家と連携して進めます。

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