横浜の農地を遠方から相続・所有している方へ

現地に行けなくても、状況の確認と選択肢の整理は進められます

横浜に農地がある。けれども自分は遠くに住んでいて、もう何年も見に行っていない。地番も面積もはっきりせず、固定資産税の通知書が届くたびに気になりながら、また一年が過ぎている。

遠方にある未利用地の管理に負担を感じている方は少なくありません。国土交通省が令和5年度に実施した「土地問題に関する国民の意識調査」では、自宅以外に未利用地があると答えた157人のうち、58.0%が草刈りなどの管理作業に負担を感じている、または感じると思うと回答し、27.4%が「遠方にあり、わざわざ行くこと」に負担を感じている、または感じると思うと回答しています。

このページでは、次の3つをお伝えします。

  1. 見に行けないまま放置していると、具体的に何が起きるのか
  2. 手元の書類から、自分の土地が何なのかをどう調べるか
  3. 遠方に住んだままで検討できる選択肢には、どのようなものがあるか

読み終えたときに「まず何をすればいいか」が決まっている状態を目指しています。初回のご相談や、お手元の資料を使った状況整理のために、横浜まで足を運んでいただく必要はありません。

現地へ行かなくても、まず次の3点を整理できます

  1. 土地の場所・地番・名義 — どこにある、誰の名義の土地なのか
  2. 市街化区域・市街化調整区域などの区分 — 制度上どういう扱いの土地なのか
  3. 売る、貸す、管理する、活用する場合の確認事項 — 次に何を調べればよいのか

お手元に固定資産税の課税明細書や権利証があれば、ご用意ください。そろっていなくても、わかる範囲から確認の進め方をご案内します。

お手元の資料と公開されている情報をもとに、現在わかること、追加で確認すべきこと、適切な相談先を整理します。個別の法的判断や申請手続きが必要な場合は、司法書士・行政書士・弁護士などの専門家をご案内します。

この無料サービスは、当サイトの「無料一次診断」と同じものです。本ページでは、内容をわかりやすくお伝えするために「無料の状況整理」と表記します。

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「見に行けないまま」が、いちばん高くつく理由

土地は、持っているだけなら費用がかからないもの——かつてはそう考えることもできました。しかしここ数年の法改正と税制の見直しによって、「何もしない」という選択のコストは、静かに、しかし確実に上がっています。

遠方にお住まいの方にとって厄介なのは、そのコストが増えていく過程が目に見えないことです。通知が届いても意味がわからない、届いたことにさえ気づかない、という状況で時間だけが過ぎていきます。

まず、いま何が起きているのかを整理します。

相続登記をしないと、10万円以下の過料の対象になります

2024年4月1日から、不動産の相続登記が法律上の義務になりました。相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請しなければならず、正当な理由なくこれを怠った場合、10万円以下の過料の対象となります(法務省:相続登記の申請義務化について)。

見落とされやすいのは、この義務が過去の相続にも及ぶという点です。義務化より前に発生した相続についても対象となり、その場合の猶予期限は原則として2027年3月31日とされています。

「祖父の代から名義が変わっていない」「父が亡くなったのは10年前だが、農地は手つかずのまま」——このような状態にある方は、期限までの時間がすでに限られています。

なお、相続人が複数いて遺産分割協議がまとまらない場合でも、義務がなくなるわけではありません。この場合には、自分が相続人である旨を法務局に申し出る「相続人申告登記」という手続きがあり、これによって申請義務を履行したものとみなされます。

使っていない農地は、固定資産税が上がることがあります

農地には、農業委員会による利用状況調査が毎年行われています。耕作されていない、あるいは十分に利用されていないと判断された農地については、農業委員会から所有者に対して利用意向調査が行われ、それでも状況が改善しない場合には、農地中間管理機構との協議を勧告することがあります。

農業振興地域内にある遊休農地のうち、この協議の勧告を受け、翌年1月1日の時点でも勧告が撤回されていない農地については、固定資産税の評価上の措置が適用されます。

農地の固定資産税の評価では通常、農地売買の特殊性を考慮して「限界収益修正率」と呼ばれる0.55を乗じています。ところが対象となる遊休農地については、この修正率が適用されません。その結果、固定資産税の評価額が、通常の農地と比べておよそ1.8倍(1÷0.55≒1.8181)になる仕組みです。実際の税額は課税標準額などによって決まります。

この措置は平成28年度の税制改正で導入され、平成29年度から適用されています(農林水産省:遊休農地に関する措置)。使っていない農地を持ち続けることが、以前より不利になっているということです。

擁壁や樹木などで損害が生じると、所有者が責任を負う場合があります

民法第717条は、土地の工作物の設置または保存に瑕疵がある場合、および竹木の栽植または支持に瑕疵がある場合に、それによって他人に損害が生じたときの責任について定めています。

責任の構造は次のようになっています。占有者と所有者が異なる場合、まず占有者が責任を負います。そして、占有者が損害の発生を防ぐのに必要な注意をしていたときは、所有者が損害を賠償しなければなりません。

ここで留意しておきたいのは、所有者の責任には免責の規定が置かれていないことです。占有者の場合は「必要な注意をしていた」ことを示せば責任を免れますが、所有者にはその道が用意されていません。

具体的に問題になりやすいのは、古い擁壁やブロック塀の崩落、樹木の倒木、置き去りにされた工作物の老朽化といったケースです。長く手入れをしていない土地では、こうした事態が所有者の知らないところで進行します。

なお、雑草が伸びていることや枝が隣地へ越境していることについては、この条文の対象とは別に、近隣とのトラブルや自治体からの指導につながる可能性があります。

管理を放棄し続けると、裁判所が管理人を選任することがあります

2023年4月1日に施行された改正民法により、「管理不全土地管理命令」という制度が創設されました(民法第264条の9)。

これは、所有者による土地の管理が不適当であることによって他人の権利や法律上保護される利益が侵害され、またはそのおそれがある場合に、利害関係人の申立てを受けて地方裁判所が管理人を選任し、その土地を管理させるという制度です。

隣地の所有者や自治体が申立人になりうる制度であり、申立てにあたっては予納金が必要とされます。所有者が自発的に管理をしない状態が続けば、外部からの申立てによって法的な手続きが動き出す可能性があるということです。

なお、空き地の雑草等については、自治体によっては条例を設けて除草の指導や勧告を行っている例もあります。お持ちの土地の所在地の自治体に、そうした条例があるかどうかは個別に確認が必要です。

放置されているのは、あなたの土地だけではありません

農林水産省の調査によると、令和6年3月末時点の全国の荒廃農地は25.7万ヘクタールにのぼります。令和5年度には、そのうち9.4万ヘクタールが再生利用可能な農地とされ、同年度に新たに2.5万ヘクタールが荒廃農地として発生しました。

発生の理由として挙げられているのは、所有者側では高齢化・病気・死亡、担い手や労働力の不足、土地側では自然条件が悪いことなどです。

同じく農林水産省の相続未登記農地等の実態調査では、令和7年3月末時点の相続未登記農地は約49.7万ヘクタール、全農地の約9.7%とされています。令和3年度末の調査では、相続未登記農地とそのおそれのある農地を合わせて約102万ヘクタール、全農地の約2割にのぼり、そのうち約5万7千ヘクタールが遊休農地となっていました。

これは個人だけの問題ではなく、日本全体で生じている構造的な課題です。だからこそ、一人で抱え込まず、まず現在の状況を確認するところから始めることが大切です。

まずは、ご自身の土地がいまどうなっているかを確認しませんか

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遠方の所有者が実際に困っていること

制度の話が続きました。ここでいったん、実際にどのような負担が生じているのかを見ておきます。

国土交通省の令和5年度「土地問題に関する国民の意識調査」(国土交通省)に、参考になる結果があります。

自宅以外に未利用地があると答えた157人を対象とした結果です。農地だけを対象とした調査ではありませんが、遠方にある土地を管理する負担の一端が表れています。

保有することで感じている、または感じると思う負担割合
草刈り等の管理作業に負担58.0%
税金や管理費用の金銭的な負担40.8%
遠方にあり、わざわざ行くことに負担27.4%
手放す際の処分(売却・相続)手続に負担26.1%
負担を感じていない、または感じるとは思わない17.2%

同じ157人に、その土地を以前どう使っていたかを聞いた設問では、「農地・山林」が52.9%で最も多くなっています。また、利用していない理由としては「遺産として相続したが、今のところ利用する予定がないため」が49.0%で最多、次いで「体力的な問題や後継者不足のため(農地、山林、商店・工場跡地など)」が23.6%でした。

管理を行っている125人に頻度を聞いた設問では、「年に1回〜数回」が55.2%と最も多く、管理の内容は「敷地の草刈りや清掃」が80.8%でした。年に数回、草刈りのためだけに足を運ぶ——という形が、統計にも表れています。

また、全回答者1,579人に、現在または将来の土地・住宅の相続について対応しているかを尋ねたところ、53.1%が「何も対応していない」と答えています。遠方の農地所有者だけを対象とした数字ではありませんが、相続について具体的な準備を始めていない人が多いことがわかります。

もう少し前の調査になりますが、国土交通省が平成23年度に実施した「農地・森林の不在村所有者に対するインターネットアンケート調査」には、遠方所有者の実態を端的に示す結果があります。

不在村所有者が所有地の存在を強く意識する機会として最も多かったのは、「固定資産税の納付書が送られてきたとき」で、農地では53.4%でした。年に一度、納税通知書が届いたときにだけ思い出す。 その状態が、2011年度(平成23年度)の調査ですでに統計として表れていたことになります。

同じ調査では、不在村所有者の16.4%が相続の際に登記や届出等の手続きを何も行っておらず、不在村所有者が所有する農地の43.5%が放置されているという結果も出ています。

相続時の相談相手として挙げられたのは、親族が48.9%、司法書士が16.3%、所有地のある市町村の窓口が10.2%でした(いずれも農地について)。半数近くが親族の中だけで判断していたことになります。

生じやすい困りごと

遠方から農地を所有している方には、次のような困りごとが生じやすくなります。

  • 草刈りのために年に何度も帰省しており、交通費と時間の負担が続いている
  • 近隣の方から「草が伸びている」と連絡が入るが、すぐに動けない
  • 農業委員会から通知が届いたが、何を求められているのかわからない
  • 使っていないのに固定資産税だけ払い続けている
  • 地番も面積もわからず、そもそもどこの土地なのか特定できない
  • 名義が亡くなった親のままになっている
  • 兄弟で意見が分かれており、話が前に進まない
  • 境界がどこなのかわからず、隣の方とも面識がない
  • 不動産会社に相談したが「農地は扱えない」と言われた

いずれか一つでも当てはまるようでしたら、まずは現状を整理するところから始められます。

まず、手元の書類で土地を特定します

遠方の所有者にとって最初の壁は、しばしば「自分の土地がどこにあるのか正確にわからない」ことです。相続で引き継いだ農地の場合、現地を見たことすらないという方も珍しくありません。

ここは、手元にある書類から進められます。

土地の特定に使える書類

書類わかること
固定資産税納税通知書・課税明細書所在、地番、地目、地積、評価額
権利証/登記識別情報権利を取得した当時の情報、対象となる土地
登記事項証明書名義、地目、地積、権利関係
公図位置関係、隣接地との配置
地積測量図境界点、面積の根拠
戸籍・遺言書・遺産分割協議書等相続人の範囲、遺産分割の内容
過去の売買契約書取得の経緯

権利証や登記識別情報だけでは、現在の名義や権利関係を確認できない場合があります。これらは発行・通知された当時の権利取得を示す資料であり、その後に売買や相続などが行われている可能性があるためです。現在の登記内容は、登記事項証明書で確認します。

これらが一つもなくても、ご相談いただけます。 おおよその場所や、ご家族から聞いている情報だけでも、そこから確認を始められる場合があります。

固定資産税の納税通知書・課税明細書がある場合

課税明細書には、土地の所在、地番、地目、地積が記載されていることが多く、初期の確認には有力な手がかりになります。

ただし注意が必要な点があります。課税上の情報、登記上の情報、実際の現況は、必ずしも一致しません。 課税地目が「畑」でも登記地目が違う、登記地目が「田」でも実際には長く耕作されていない、といったずれは頻繁に起こります。

したがって、納税通知書だけを見て「この土地は転用できる/できない」「売れる/売れない」と判断することはできません。あくまで出発点の資料として扱ってください。

地番も面積もわからない場合

住所と地番は同じものではありません。「実家の裏手にあった畑」という程度の情報からでも、おおよその位置、近隣の目印、過去の写真、固定資産税の支払状況などを手がかりに、候補地を絞り込んでいくことは可能です。

ただし、地図の上で「たぶんここだ」と見当をつけられたとしても、それだけで所有権が確定するわけではありません。最終的には登記や課税の資料で裏付けを取る必要があります。

ご自身で調べてみたい方向けに、公開されているツールもあります。

いずれも無料で利用できます。ただし、地図上の表示だけで最終的な判断をすることは避けてください。区域や規制の詳細は、管轄の窓口への確認が必要です。

納税通知書に載っていない農地があるかもしれません

これは見落とされやすい点です。

固定資産税には免税点という仕組みがあります。横浜市の場合、同一区内で同一の人が所有する土地の課税標準額の合計が30万円未満であれば、土地に対する固定資産税は課税されません。

免税点を下回る土地には固定資産税が課税されないため、その土地が納税通知書の課税明細に記載されず、通知書だけでは所有していることを把握できない場合があります。

農地や山林は評価額が低く、この免税点を下回ることがあります。そのため、納税通知書に記載されている土地だけを見て「所有している不動産はこれですべて」と判断すると、把握できていない土地が残る可能性があります。 相続登記の対象から漏れれば、過料のリスクもそのまま残ります。

納税通知書に記載されていない資産がないかを確認する方法として、自治体の名寄帳や固定資産課税台帳を確認する方法があります。横浜市の場合、固定資産が所在する区の区役所税務課に請求することができ、郵送による手続きにも対応しています。

記載される範囲、必要書類、手数料は自治体によって異なりますので、請求の前に区役所税務課にご確認ください。

なお、横浜市では同一区内にある土地の課税標準額の合計で判定されるため、他にも同じ区に土地をお持ちの場合には通知書に記載されることもあります。「30万円未満の農地は必ず載らない」というわけではありません。逆に、複数の区にまたがって土地をお持ちの場合は、区ごとに判定される点にご注意ください(横浜市:固定資産税・都市計画税(概要))。

横浜の農地で最初に確認すべき3つの区分

土地が特定できたら、次はその土地が制度上どういう扱いになっているかを確認します。ここが、その後に取れる選択肢のすべてを左右します。

最初に、横浜市の農地について押さえておきたい数字があります。

横浜市の資料によると、市内の農地は2,850ヘクタール(市域の約7%、うち畑が約93%)。このうち市街化調整区域内にあるのが2,352ヘクタールで、市内の農地全体の約82%を占めます。 市街化区域内の農地は498ヘクタール(うち生産緑地が約280ヘクタール)でした(いずれも令和2年時点。横浜市:横浜の農業)。

ここで示されているのは、農地の面積ベースの比率です。筆数や相続件数の割合ではないため、「8割の確率で調整区域」と読み替えることはできません。ただし、横浜の農地を相続された場合に、市街化調整区域に該当する可能性は十分に考えられます。個別の土地については、所在地をもとに確認が必要です。

そして、この区域の違いが、手続きの重さを大きく変えます。

①市街化区域か、市街化調整区域か

市街化区域内の農地であれば、農地転用は農業委員会への届出で足りる場合があります。行政としても市街化を進めたい区域だからです。

一方、市街化調整区域内の農地を転用する場合には、届出ではなく、原則として農地転用の許可が必要になります。加えて、都市計画法上の制限も併せて検討する必要があります。

ここで、よくある二つの誤解を先に解いておきます。

誤解1:「調整区域だから何もできない」

そうとは限りません。区分や条件によっては取りうる方法があります。

誤解2:「届出さえすれば転用できる」

市街化区域内の農地であれば届出で足りる場合がありますが、調整区域では当てはまりません。

実際に許可されるかどうかは、次の農地区分と併せて判断されます。

②農用地区域に入っているか、農地区分はどれか

農地法は、優良な農地を守るために農地を区分し、転用の可否を定めています。

区分転用の可否
農用地区域内農地(いわゆる青地)原則不許可
甲種農地原則不許可
第1種農地原則不許可
第2種農地農地以外の土地や、周辺の他の土地に立地することが困難な場合などに許可
第3種農地原則許可

転用が実際に許可されるかどうかは、この農地区分による立地基準に加えて、転用の目的、周辺の農地への影響、都市計画法その他の規制を踏まえて判断されます。市街化調整区域であること自体が、すべての農地を一律に不許可にするわけではありません。

ただし、農用地区域内農地や第1種農地は原則として転用が認められず、法令上の例外的な許可事由に該当する場合に限って、許可が検討されます。

ご自身の土地がどの区分にあたるかは、農業委員会に照会しないとわかりません。 地図の表示や登記の記載から推測することはできず、ここは必ず確認が必要な項目です。

なお、農用地区域に指定されている土地を農業以外の用途に利用する場合には、農地転用許可の前に、農用地区域から外すための農業振興地域整備計画の変更、いわゆる「農振除外」の手続きが必要になる場合があります。相当の期間を要する手続きです。農業振興地域と農用地区域は同じ意味ではありませんので、ご自身の土地がどちらに該当するかを確認する必要があります。

③登記地目と現況が一致しているか

登記上の地目が「田」「畑」であっても、実際の状況は違っているかもしれません。逆に、長期間耕作されていない土地であっても、農地として扱われる場合があります。

登記の記載だけで「これはもう農地ではない」と判断することはできません。この点も農業委員会への確認が必要な項目です。

横浜市の農業委員会は2つに分かれています

意外と知られていないのですが、横浜市では市域を二つに分けて農業委員会が置かれています。お持ちの土地がどの区にあるかによって、問い合わせ先が変わります。

農業委員会管轄する区電話
横浜市中央農業委員会青葉区・旭区・神奈川区・港北区・都筑区・鶴見区・保土ケ谷区・緑区045-948-2475
横浜市南西部農業委員会泉区・磯子区・金沢区・港南区・栄区・瀬谷区・戸塚区・中区・西区・南区045-866-8495

農政全般については、横浜市みどり環境局農政部農政推進課(045-671-2630)が窓口となります。

川崎市など横浜市外に土地をお持ちの場合は、その土地の所在地を管轄する農業委員会への確認が必要になります。

連絡先および管轄区は変更される場合があります。お問い合わせの前に横浜市の公式サイトでご確認ください。

ご自身の土地について、いま何がわかっていて、次に何を確認すべきかを整理します

名義が親のままになっている場合の2つの手続き

農地を相続した場合、手続きは2か所で必要になります。これを知らずに片方だけ済ませてしまう方が非常に多いところです。

①法務局への相続登記

相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に、登記の申請を行う必要があります。正当な理由なく怠った場合は10万円以下の過料の対象です。

義務化より前に発生した相続についても対象となり、猶予期限は原則として2027年3月31日です。

②農業委員会への届出

こちらが見落とされやすい方です。

農地を相続や包括遺贈などによって取得した場合、農地法第3条の3に基づき、その農地の所在地を管轄する農業委員会に対して、おおむね10か月以内に届出をしなければなりません。正当な理由なく届出をしなかった場合や、虚偽の届出をした場合には、こちらも10万円以下の過料の対象となります(横浜市:農地の権利移動)。 許可の種類と許可権者の違いは農地法の3条・4条・5条をご覧ください。

法務局と農業委員会は管轄が異なる別の機関です。登記が済んだからといって届出が不要になるわけではなく、逆もまた同様です。

横浜市の場合、届出先は土地の所在する区に応じて、中央農業委員会または南西部農業委員会となります。

相続の手続き全般については、農地を相続された方へでも整理しています。

遺産分割がまとまらないとき

相続人が複数いて協議が進まない場合でも、登記の申請義務がなくなるわけではありません。

このような場合には、自分が相続人であることを法務局に申し出る「相続人申告登記」という手続きがあります。これによって、いったん申請義務を履行したものとみなされます。遺産分割がまとまってから、あらためて正式な相続登記を行うことになります。

「兄弟で話がつかないので、とりあえず放置している」という状態は、期限との関係でリスクを抱え続けることになります。まず暫定的な手続きだけでも進めておく方が安全です。

共有になっている場合の注意

農地が複数人の共有になっている場合、その後の選択肢によって必要な同意の範囲が変わります。売却するのか、貸すのか、転用するのか——どの段階で誰の同意が必要になるのかを早い段階で把握しておくと、後の手戻りが少なくて済みます。

なお、共有者の同意の範囲や、相続手続きに関する個別の法的判断については、司法書士・弁護士の領域になります。当サイトでは、確認すべき論点と適切な相談先の整理までを行います。

なお、相続税や納税猶予に関するご質問については、税理士にご確認ください。当サイトでは税務に関する個別の判断は行っておりません。

遠方からでも検討できる5つの選択肢

ここまでで、土地の特定と制度上の位置づけが整理できたとします。次は「では、どうするか」です。

選択肢は大きく5つあります。それぞれ、向いている状況もハードルも違います。なお、②の管理委託は土地を手放したり活用したりするものではなく、当面の維持管理にあたります。

選択肢向いている状況主なハードル遠方でも進めやすいか
①転用して貸す需要のある立地。転用が認められうる農地区分農地転用許可、造成実務を任せられれば進めやすい
②管理を委託する方針が決まるまで維持したい継続的な管理費用がかかり、将来の方針は別途検討が必要進めやすい
③農地のまま貸す農地バンクの対象となり、周辺に担い手がいる対象となる農地に条件がある比較的進めやすい
④農地のまま売る農地法第3条の許可要件を満たす買主がいる買主の要件、許可難しい場合がある
⑤国庫帰属他の手段が難しく、要件を満たす境界や残置物、負担金難しい場合がある

以下、順に見ていきます。

①資材置場・駐車場などに転用して貸す

市街化調整区域では宅地としての開発が難しく、農地のままでも周辺に担い手がいなければ借り手が見つかりません。一方で、接道、面積、周辺環境などの条件によっては、資材置場や車両置場として事業者からの需要が見込める場合があります。

ただし、ここは順を追って確認する必要があります。

第一に、市街化調整区域内の農地を転用する場合、市街化区域のような届出では足りず、原則として農地転用の許可が必要です。 「調整区域でも資材置場ならできる」という話を聞くことがありますが、そう単純ではありません。

第二に、実際に許可されるかどうかを分けるのは、農地区分をはじめとする判断基準です。 前章の表のとおり、農用地区域内農地・甲種農地・第1種農地は原則不許可、第2種農地は条件付き、第3種農地は原則許可となります。これに加えて、転用の目的、周辺の農地への影響、都市計画法その他の規制も踏まえて判断されます。農用地区域に指定されている土地であれば、その前に農用地区域から外すための手続き(農振除外)が必要になる場合があり、相当の期間を要します。

第三に、ご自身の土地がどの区分かは、農業委員会に照会しないとわかりません。

したがって、まず調べるところから始める必要があります。 そして、調べること自体は遠方からでも進められます。

このページでお伝えしたいのは「調整区域だから資材置場にできます」ではなく、「できるかどうかは調べないとわからない。そして調べるのは遠方からでもできる」ということです。

手続きの構造

転用の手続きは、誰が転用するかによって根拠となる条文が変わります。

条文内容許可権者
農地法第3条農地を農地のまま売買・貸借・贈与する農業委員会
農地法第4条自分の農地を農地以外に転用する(自己転用)都道府県知事等
農地法第5条農地を売却・貸借し、取得者が農地以外に転用する都道府県知事等

神奈川県では、農地転用の許可権限が県から市長へ移譲されています。横浜市・川崎市内の農地については、市が処理します。

都市計画法との関係についても触れておきます。都市計画法上の「開発行為」とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設を目的として行う土地の区画形質の変更をいいます。そのため、建築物等を設置しない露天の資材置場や平面駐車場については、都市計画法上の開発行為に当たらない場合があります。

ただし、これで手続きが不要になるわけではありません。横浜には、押さえておくべき固有の事情が2つあります。

① 市内全域が盛土規制法の規制区域です

横浜市では、2025年(令和7年)4月1日に市の全域が「宅地造成等工事規制区域」に指定され、同日から盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)の適用が始まっています。

この法律は、宅地だけでなく農地における造成工事や、一時的な土石の堆積も包括的に規制するものです。そのため、資材置場や駐車場を整備する際に盛土・切土を行う場合や、土石を堆積する場合には、その規模や内容に応じて許可や届出が必要になることがあります(横浜市:盛土規制法の手引)。

② 管理用建築物には個別の許可基準があります

資材置場に管理事務所や便所などを設ける場合、市街化調整区域における建築許可の問題が生じます。横浜市には、市街化調整区域内の資材置場等に必要な管理用建築物についての個別の許可基準(提案基準第30号)が定められており、周辺の病院・学校・社会福祉施設からの距離、前面道路の幅員と接道の長さ、建築物の規模や高さなどの条件があります(横浜市:市街化調整区域内の開発・建築)。

すべての資材置場に管理棟を設置できるわけではありません。 計画地ごとの事前確認が必要です。

なお市街化調整区域では、開発行為や建築行為について、市街化区域よりも厳しい立地基準が設けられています。

農地転用の許可が得られるかどうかと、都市計画法・盛土規制法等の手続きが必要かどうかは、別々に確認する必要があります。 計画の段階で、管轄の農業委員会と、横浜市の宅地・調整区域を担当する部署の双方に事前相談することをお勧めします。

なお、許可を受けずに農地を転用した場合には、農地法違反として原状回復命令や罰則の対象となりえます。

遠方の所有者にとって、実際の負担がどこにあるか

仮に転用が可能だとして、そこから先には次のような作業が発生します。

  • 農業委員会・行政との事前相談
  • 転用許可申請の書類作成と提出
  • 造成工事(整地、砕石敷き、フェンス設置など)
  • 借主の募集と審査
  • 契約の締結
  • 賃料の請求と回収
  • 近隣対応、トラブル対応
  • 契約終了時の原状回復

遠方から所有者ご本人だけでこれらの実務を進めるには、時間的・物理的な負担が大きくなります。逆に言えば、これらをどこまで外部に委ねられるかが、この選択肢を現実的に検討できるかどうかの分かれ目になります。

実務をどこまでお任せいただけるかは、土地の状況によって異なります。状況整理の際にご説明します。

所有者ご自身が現地に行く必要がある場面と、行かなくてよい場面については、次章で整理します。

②管理を委託して、そのまま持ち続ける

今後の方針をすぐに決めなくてよい、あるいは家族の意見がまとまるまで維持したい、という場合の選択肢です。

委託できる内容は、草刈り、定期的な巡回、写真による状況報告、不法投棄の有無の確認、隣地への越境の確認などです。委託先としては、シルバー人材センター、造園業者、便利屋などがあります。

シルバー人材センターでも草刈り等を受け付けている場合がありますが、受託の条件、対応できる作業の範囲、料金、待ち時間はセンターごとに異なります。作業される方の安全上の理由から、急斜面での作業や大型機械の使用を断られる場合もあります。また、夏場などの繁忙期には予約待ちが発生し、すぐに対応できないこともあります。

費用については、面積、傾斜、草丈、刈った草の搬出量によって大きく変わるため、一律の目安をお示しすることができません。個別に見積りを取っていただく必要があります。

ひとつ、正直に申し上げておきたいことがあります。

管理委託は、当面の安全確保や近隣への影響を抑えるためには有効です。 草を刈れば、見た目の問題も、越境や苦情のリスクも軽減されます。

ただし、名義、境界、今後の活用方針といった問題が解決するわけではありません。 これらを残したままだと、費用だけが毎年出ていく状態が続きます。管理を委託しながら、並行して中長期的な方針を検討していくことをお勧めします。

草刈りの負担については、草刈り・管理の負担を減らしたい方へでも整理しています。

③農地のまま貸す・農地バンクに預ける

農地として使ってくれる人に貸す、という選択肢です。

公的な貸借の仕組みとして、農地中間管理機構、いわゆる農地バンクがあります。神奈川県では、公益社団法人神奈川県農業会議が農地中間管理機構に指定されています。

ここで、2025年(令和7年)4月からの制度変更に注意が必要です。 農業経営基盤強化促進法の改正により、これまで市町村が作成していた農用地利用集積計画による権利設定は、農地バンクが作成する農用地利用集積等促進計画による仕組みに統合されました。

ただし、所有者が農地バンクに申し込めば、どの農地でも直ちに借り受けてもらえるわけではありません。 農地バンクが実際に借り受けられるかどうかは、地域計画への位置づけ、農地の状態、周辺の担い手の状況などによって異なります。

農地を貸したい場合は、まず土地の所在地を管轄する農業委員会、または市町村の農政担当部署へご相談ください。

なお、一定の要件を満たして農地中間管理機構に10年以上貸し付けた農地については、固定資産税等の課税標準を3年間、価格の2分の1とする特例があります(農林水産省:農地中間管理機構に関するよくあるご質問)。適用対象や手続きについては、農業委員会や区役所税務課にご確認ください。

このほか、農地法第3条に基づき、農業委員会の許可を受けて所有者と借主が直接貸借する方法は、現在も利用できます。

限界も正直にお伝えしておきます。農地の状態、位置、周辺の担い手の需要によって扱いは大きく変わり、借り手が付かないことも珍しくありません。 長く耕作されていない土地、区画が小さく農業機械が入りにくい土地、水利の便が悪い土地では、特にその傾向があります。

まずは、ご自身の土地がそもそも対象になりうるかを確認するところからになります。

④農地のまま売る

農地を農地のまま売却する場合、農地法第3条の許可が必要です。

そして、買い手は誰でもよいわけではありません。 買主は、農地法第3条の許可要件を満たす必要があります。

ただし、「すでに農家でなければ買えない」というわけではありません。個人の場合、既存の農家だけでなく、新たに農業を始める方であっても、営農の計画、農作業への従事、取得する農地の全部を効率的に利用することなどの要件を満たせば、許可を受けられる可能性があります。かつて要件のひとつであった下限面積要件(都府県では原則50アール以上)は、2023年4月1日に施行された改正農地法によって撤廃されました。

法人が農地を所有する場合には、原則として農地所有適格法人の要件を満たす必要があります。

とはいえ、宅地のように広く買い手を探せるわけではない、という点が農地の売却の難しさです。

よくある誤解として、「タダであげるなら許可は不要ではないか」というものがありますが、無償で譲渡する場合も贈与として扱われ、農地法第3条の許可は必要です。 相手方が要件を満たさなければ許可が下りず、名義変更の登記も進みません。

なお、無償で譲り受けた側には課税が生じる場合があります。金額については個別の事情によって大きく異なりますので、事前に税理士にご確認ください。

このほか、相続登記が済んでいない、共有者がいる、境界が不明である、といった事情は、いずれも売却の話を止める要因になります。

⑤相続土地国庫帰属制度を使う

売却も貸付も転用も難しい、という場合の最終的な選択肢です。

2023年4月27日に開始された制度で、相続または相続人に対する遺贈によって土地を取得した方が、一定の要件を満たし、所定の費用を納めることで、その土地の所有権を国に帰属させることができます。相続人ではない第三者が遺贈を受けた場合まで、広く対象になるわけではありません。

土地が共有になっている場合には、共有者全員が共同して申請する必要があります。 兄弟で共有しているようなケースでは、この点が最初のハードルになります。

費用の構造は次のとおりです(法務省:相続土地国庫帰属制度の概要)。

  • 審査手数料:土地1筆あたり14,000円。審査の結果、却下や不承認となった場合でも返還されません
  • 負担金:承認された場合に納付します。農地(田・畑)は原則として面積にかかわらず20万円です

ただし、次の区域内にある農地については、面積に応じた算定になります。

  1. 都市計画法の市街化区域、または用途地域が指定されている地域内の農地
  2. 農業振興地域の整備に関する法律の農用地区域内の農地
  3. 土地改良事業等の施行区域内の農地

「無料で国に引き取ってもらえる制度」ではないという点は、正確に理解しておく必要があります。

実際にどの程度使われているか

法務省が公表している統計によると、2026年(令和8年)6月30日現在で、申請件数は5,698件(うち田・畑が2,226件)、帰属件数は2,885件(うち農用地が925件)となっています。

この数字の読み方には注意が必要です。申請中の案件が含まれているため、申請件数と帰属件数を単純に比較して承認率を判断することはできません。 また、審査の途中で取り下げられた案件も相当数あります。

取り下げの背景はさまざまで、申請の準備を進める過程で自治体や隣地の所有者から引き受けの申し出があり、結果的に別の形で活用が決まったというケースも含まれます。「申請しても半分は断られる」という単純な読み方は正確ではありません。

統計は法務省が毎月更新しています。最新の数値は上記のページでご確認ください。

境界と残置物が大きなハードルになります

却下・不承認となる理由として上位に挙がっているのが、「土地の通常の管理または処分を阻害する工作物、車両、樹木その他の有体物が地上に存する土地」と、「境界が明らかでない土地」です。長く放置された農地では、この両方が同時に問題になることも少なくありません。

農地は代々受け継がれてきた性質上、境界を示す杭が残っておらず、公図と現況が一致しないことが少なくありません。国に引き取ってもらうためには、境界について争いがない状態であることを示す必要があります。

遠方にお住まいの方にとって、隣地の所有者との立会いは物理的なハードルになります。

境界標が見当たらない、隣地所有者と連絡が取れない、境界の認識が一致しないといった場合には、まず申請先の法務局や土地家屋調査士に相談し、どのような資料や対応が必要かを確認します。状況によっては、測量や筆界特定制度などを検討することになります。

筆界特定制度は、法務局の筆界特定登記官が、土地の公法上の境界である「筆界」を特定する制度です。ただし、所有権の範囲そのものを確定する手続きではありません。この点は混同されやすいので注意が必要です。

市街化調整区域の農地全般については、市街化調整区域の農地を持っている方へでも整理しています。

どの選択肢が現実的か、まずは無料で整理します

現地に行かずに、どこまで進められるか

ここまで読んで「結局、現地に行かないと何も進まないのでは」と感じられたかもしれません。初期の状況整理は、現地へ行かずに進められる場合があります。

大切なのは、行かずにできることと、どうしても現地の確認が必要になることを、最初に切り分けておくことです。

電話・メール・郵送で確認できること

手元の資料とご記憶をもとに、次のような事項は現地に行かずに確認を進められる場合があります。

  • 地番の特定
  • 登記上の地目
  • 登記上の面積
  • 名義(誰の名前になっているか)
  • 都市計画上の区域(市街化区域か、市街化調整区域か)
  • 農用地区域に含まれているかどうか
  • 地図・航空写真からわかる周辺の利用状況
  • 接道の有無(地図上で確認できる範囲)

これらを整理するだけでも、「取りうる選択肢」と「追加で確認が必要な事項」の切り分けはかなり進みます。

現地の確認が必要になる主なケース

一方、次のような場合には現地での確認が必要になります。

  • 境界標が見当たらず、隣地との境目がはっきりしない
  • 道路に接しているかどうかが地図では判断できない
  • 草木が隣地へ越境している可能性がある
  • 建物、物置、残置物がある
  • 長期間まったく見ておらず、現況が不明である
  • 転用や売却に向けて、現在の状態を正確に把握する必要がある

こうした場合の進め方については、状況整理のなかで、確認が必要な項目と進め方をご相談しながら決めていきます。費用が発生する場合は、事前に金額をお伝えし、ご了解をいただいてから進めます。

いずれの場合も、無断で他人の土地に立ち入ったり、隣地から撮影したりすることはいたしません。所有権の範囲、立入りの権限、安全を確認したうえで実施します。

ご家族が離れて住んでいる場合

相続に関わる話は、ご本人だけで決められないことがほとんどです。兄弟が別々の地域に住んでいる、親御さんが高齢で判断が難しい、といった状況もよくうかがいます。

整理した内容は、ご家族で共有していただく資料としてお使いいただくこともできます。誰か一人が全部を抱え込むのではなく、同じ内容を見ながら話し合っていただくことで、方針が決まりやすくなります。

地番や面積がわからない状態でも、権利証や固定資産税の納税通知書をお手元でご覧いただきながら、お電話でご相談いただけます。

費用と、誰が何を担当するか

費用について

状況整理は無料です。

そのうえで、次のような作業については別途の費用が発生する場合があります。

  • 現地での調査、写真撮影
  • 測量、境界の確定
  • 書類の取得
  • 各種の許認可申請
  • 登記
  • 売買・賃貸の仲介

いずれも、事前にご説明したうえで進めます。ご相談いただいた時点で費用が発生することはありませんし、その場で契約をお願いすることもありません。

誰が何を担当するか

農地に関わる手続きは、複数の専門分野にまたがります。それぞれ担当する専門家が異なります。

担当業務
司法書士相続登記、名義変更
行政書士農地転用許可申請などの許認可
土地家屋調査士測量、境界確定、地目変更登記
宅地建物取引業者売買・賃貸の仲介
税理士相続税、譲渡所得、贈与税
弁護士相続人間の争い、境界に関する紛争
農業委員会農地法上の許可・届出、農地区分の照会

当サイトは、これらの業務を直接代理するものではありません。 お手元の資料と公開されている情報をもとに、現在わかること、追加で確認すべきこと、適切な相談先を整理します。個別の法的判断や申請手続きが必要な場合は、司法書士・行政書士・弁護士などの専門家をご案内します。

どの段階で誰に依頼することになるのかも含めて、状況整理の際にお伝えします。

よくあるご質問

地番や面積がわからなくても相談できますか?

はい、ご相談いただけます。おおよその場所、固定資産税の納税通知書、権利証などが手がかりになります。資料が一つもない場合でも、わかる範囲をお知らせいただければ、どこから調べればよいかをご案内できる場合があります。

一度も現地に行かずに相談できますか?

初期のヒアリングと資料に基づく調査は、お電話・メール・郵送を中心に進められる場合があります。境界、接道、草木の状態、残置物などの確認が必要になった場合には、現地調査の方法をあらためてご相談します。

名義が亡くなった親のままでも相談できますか?

ご相談は可能です。ただし、具体的な売却・貸付・転用に進むためには相続登記が必要になる場合があります。登記の申請は司法書士の業務となりますので、その際は司法書士をご案内します。

農地を放置していると罰則はありますか?

相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しない場合、正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象となります。また、農地を相続した際の農業委員会への届出(農地法第3条の3、おおむね10か月以内)を怠った場合や虚偽の届出をした場合も、10万円以下の過料の対象です。

使っていない農地は税金が上がりますか?

農業振興地域内にある遊休農地のうち、農業委員会から農地中間管理機構との協議を勧告され、翌年1月1日時点でも勧告が撤回されていないものについては、固定資産税の評価で用いる限界収益修正率0.55が適用されません。その結果、固定資産税の評価額が通常の農地と比べて約1.8倍になることがあります。実際の税額は課税標準額などによって決まります。

市街化調整区域の農地を資材置場や駐車場にできますか?

農地を農地以外の用途にするには、農地転用の手続きが必要です。市街化調整区域内の農地の場合、市街化区域のような届出ではなく、原則として許可が必要になります。実際に許可されるかどうかは、農地区分による立地基準、転用の目的、周辺の農地への影響、都市計画法その他の規制を踏まえて判断されるため、農業委員会への照会が必要です。また、建築物等を設置しない露天の資材置場や平面駐車場は、都市計画法上の開発行為に当たらない場合があります。ただし横浜市では、2025年4月1日から市内全域が盛土規制法上の「宅地造成等工事規制区域」に指定されており、農地における造成工事や土石の堆積も規制の対象となるため、規模や内容によっては許可や届出が必要です。管理用の建築物を設ける場合には、市街化調整区域における建築許可の個別基準(提案基準第30号)も関わります。許可を受けずに転用すると、原状回復命令や罰則の対象となりえます。

国に引き取ってもらうことはできますか?

相続土地国庫帰属制度があります。相続または相続人に対する遺贈で取得した土地が対象で、農地(田・畑)は要件を満たせば負担金原則20万円で帰属が可能です。ただし審査手数料が土地1筆あたり14,000円かかり、却下・不承認でも返還されません。また、管理・処分を阻害する工作物等がある土地や、境界が明らかでない土地は、却下・不承認となることがあります。土地が共有の場合は、共有者全員での共同申請が必要です。

売るか貸すか決まっていなくても相談できますか?

はい。むしろ決まっていない段階でご相談いただく方が、選択肢を広く検討できます。区域、名義、現況を確認したうえで、検討可能な選択肢を整理します。

兄弟で意見がまとまっていませんが相談できますか?

ご相談いただけます。共有になっている場合に確認すべき論点を整理し、ご家族で共有していただける形でお伝えします。遺産分割がまとまらない間の暫定的な手続きとして相続人申告登記という制度があり、こうした選択肢の存在も含めてご説明します。個別の手続きや法的判断が必要な場合は、司法書士・弁護士をご案内します。

まずは無料の状況整理から

  • 現地に行けない
  • 資料がそろっていない
  • 売るか貸すか決めていない

このいずれの状態でも、ご相談いただけます。むしろ、この段階でご相談いただく方が、選べる選択肢は多く残っています。

状況を確認した結果、具体的な依頼をせず、相談だけで終了していただいても構いません。その場で契約をお願いすることはありません。

いただいた個人情報の取り扱いについては、プライバシーポリシーをご確認ください。

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無料の状況整理のお申し込み

一次診断は無料です。地番や面積が分からないままでも、お申し込みいただけます。

お電話でのご相談: 03-6869-4326(受付 平日10:00〜17:00)/フォームは24時間受付。1営業日以内にご連絡します。

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本ページの制度情報について

本記事は一般的な制度の概要をご説明するものです。個別の土地について実際にどの手続きが必要か、どの選択肢が可能かは、区域区分・農地区分・接道状況・権利関係等によって異なります。最終的な判断は管轄の農業委員会および各分野の専門家にご確認ください。

記載内容は2026年8月時点の情報に基づきます。法令・制度は改正される場合があります。

登記申請は司法書士、許認可申請は行政書士、測量・境界確定は土地家屋調査士、税務は税理士がそれぞれ担当します。当サイトはこれらの手続きを代理するものではなく、必要に応じて各専門家をご紹介します。

最終更新日:2026年8月1日

参考にした主な資料

  • 農林水産省「令和6年度 食料・農業・農村白書」「荒廃農地の現状と対策」
  • 農林水産省「相続未登記農地等の実態調査」
  • 農林水産省「遊休農地に関する措置」
  • 国土交通省「令和5年度 土地問題に関する国民の意識調査」
  • 国土交通省「農地・森林の不在村所有者に対するインターネットアンケート調査」(平成23年度)
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」「相続土地国庫帰属制度」
  • 横浜市「横浜の農業」「農地の権利移動」「固定資産税・都市計画税(概要)」
  • 横浜市「盛土規制法の手引」「盛土規制法の規制区域」
  • 横浜市「市街化調整区域内の開発・建築」(提案基準第30号 資材置場等の土地利用に必要な管理用建築物)
  • 神奈川県「農地中間管理事業のご案内」
  • 農林水産省「農地中間管理機構に関するよくあるご質問」
  • 農林水産省「令和8年度税制改正事項」