農地を相続したら最初にすること|届出・登記・活用の流れ

農地を相続したら、手続きは2か所で必要です。 農地のある市町村の農業委員会への届出(農地法3条の3)と、法務局への相続登記です。どちらにも10万円以下の過料の定めがあり、片方を済ませても他方は不要になりません。 農地法そのものの仕組みは農地法の許可は3種類で整理しています。

そのうえで、農業を続けないなら、貸す・売る・転用する・農地バンクへ出す・国庫帰属を使う、という5つの方向を検討することになります。

農林水産省は、農地の相続については届出と登記がそれぞれ法律により義務付けられていると案内しています。法務局での相続登記だけでなく、農地のある市町村の農業委員会への届出が別に必要だ、ということです。

このページでは、横浜市に農地をお持ちの方に向けて、最初にすること、期限のある手続き、そして農業をしない場合に選べる方法を整理しました。

本ページは制度の概要を解説するものです。個別の税額計算、登記手続き、転用の可否については、税理士・司法書士・行政書士等の専門家、および所管の行政窓口にご相談ください。

まず、この5つを確認してください

  1. 農地の所在地と地番を確認する(固定資産税の納税通知書に同封されている課税明細書などで確認できます)
  2. 相続登記の状況を確認する(名義が誰になっているか)
  3. 市街化区域か市街化調整区域かを調べる(横浜市の地図情報で自分で調べられます)
  4. 農用地区域に入っているかを、地番をもとに農政事務所へ確認する
  5. 相続税の納税猶予を受けているかを確認する(受けている場合、活用の判断が変わります)

3と4が分かると、次に確認すべき手続きや相談先が絞り込めます。

時期の目安(3つの手続きを混同しないために)

手続き時期
農業委員会への届出法律上は「遅滞なく」。農林水産省の目安は相続発生日からおおむね10か月以内
相続登記相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内
相続税の申告申告が必要な場合、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内

「10か月」が2か所に出てきますが、別の手続きです。提出先も、農業委員会と税務署で異なります。

相続放棄を検討している方へ

相続放棄は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行う必要があります。農地だけを選んで放棄することはできません。 相続放棄の可能性がある場合は、農地の活用を進める前に、相続財産と債務の全体を確認し、家庭裁判所または弁護士・司法書士へご相談ください。

相続した農地について、最初に何をすべきか相談する

地番だけでご相談いただけます。登記簿や納税通知書がお手元になくても構いません。

相続した農地でよく起きる3つのつまずき

名義が親のまま止まっている

「いずれやろう」と思っているうちに数年が経ち、その間にご兄弟や次の世代へ相続が重なると、関係する相続人が増えていきます。関係者が増えるほど、売却や活用に向けた合意形成は難しくなります。

自分で使う予定がない

遠方に住んでいる、平日は仕事がある、農業の経験がない。耕さない農地は草が伸び、周囲への影響も出てきます。保有している間は、管理の負担に加えて固定資産税の課税状況も確認しておく必要があります。

なお、農林水産省は、相続したものの地元を離れていて管理ができない場合には、農業委員会が管理の相談や借り手探しを手伝うと案内しています。まず管轄の農業委員会に問い合わせてみる、という選択肢があります。

親族で意見がまとまらない

「売りたい」「先祖の土地は残したい」「とりあえず今のままで」。この3つが同時に出ると話が止まります。ただ、期限のある手続きは待ってくれません。遺産分割がまとまらない場合でも先に打てる手があります(後述の相続人申告登記)。

農業委員会への届出(農地法第3条の3)

相続や遺産分割、包括遺贈などによって農地の権利を取得した方は、その農地の所在する市町村の農業委員会に届け出る必要があります。根拠は農地法第3条の3です。

この届出は許可ではありません。相続そのものに農業委員会の許可は不要で、「新しい権利者が誰になったか」を届け出る手続きです。農業経験がなくても行えます。また、法務局への相続登記とは別に必要な手続きです。

届出時期について|法律は「遅滞なく」、農林水産省の目安はおおむね10か月以内

農地法では、相続等によって農地の権利を取得した場合、農業委員会へ「遅滞なく」届け出ることとされています。法律上、「相続から何日以内」という固定された期限は定められていません。

農林水産省は、その目安として「相続発生日からおおむね10か月以内」と案内しています。一方、横浜市中央農業委員会は「相続の日から届出までの期日は特に定めはありません」と案内しています。

固定された期限がないとしても、届出の義務がなくなるわけではありません。農地法では、届出をしない場合や虚偽の届出をした場合、10万円以下の過料に処せられることがあると定められています。農林水産省の案内する10か月を一つの目安として、早めに管轄の農業委員会へ提出してください。

横浜市の届出窓口

農業委員会電話管轄区
横浜市中央農業委員会045-948-2475鶴見・神奈川・保土ケ谷・旭・港北・緑・青葉・都筑
横浜市南西部農業委員会045-866-8495西・中・南・港南・磯子・金沢・戸塚・栄・泉・瀬谷

横浜市中央農業委員会は、相続登記が完了してから、届出書と必要書類を窓口に持参して提出するよう案内しています(郵送不可)。また、届出の対象は現況が農地のものに限られます。窓口は都筑区総合庁舎4階(43番窓口)、受付は平日の午前8時45分から正午、午後1時から午後5時までです。

なお、南西部農業委員会管轄の農地については、必要書類や提出方法を南西部農業委員会へ直接ご確認ください。

出典:農地法第3条の3・第69条、農林水産省「農地を相続したときは、届出が必要です!」、横浜市中央農業委員会FAQ

相続登記(2024年4月から義務化)

相続人は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが法律上の義務となりました。正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります(不動産登記法第164条第1項)。

2024年(令和6年)4月1日より前に相続したことを知っていた不動産も、相続登記が済んでいなければ義務化の対象です。 この場合、原則として2027年(令和9年)3月31日までに登記する必要があります。

もう一つ、見落としやすい義務があります。遺産分割の話し合いがまとまった場合には、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容に応じた登記を申請する義務が別に生じます。

3年に間に合いそうにない場合

相続人が申請義務を簡易に履行できるようにするため、相続人申告登記という登記が設けられています。

ただし法務省は、相続人申告登記で義務を果たすことができるのは基本的義務のみであり、遺産分割成立後の追加的義務については果たすことができないと明記しています。あくまで暫定的な措置です。

なお、登記官が申請義務の違反を把握した場合、まず相当の期間を定めて申請するよう催告し、それでも正当な理由なく申請されなかった場合に、管轄の地方裁判所へ通知するとされています。いきなり過料が科されるわけではありません。

登録免許税が免除される場合があります

相続登記には通常、土地の価額の0.4%の登録免許税がかかります。ただし、登記に係る不動産の価額が100万円以下の土地については、令和9年(2027年)3月31日まで登録免許税が課されません(租税特別措置法第84条の2の2第2項)。

押さえておきたい点が3つあります。

  1. 持分で判定します。 共有持分を取得する場合は、不動産全体の価額に持分割合を乗じた額で判定します
  2. 対象は「土地」です
  3. 申請書に条項を書かないと適用されません。 「租税特別措置法第84条の2の2第2項により非課税」と記載する必要があります

免除されるのは登録免許税です。書類の取得実費や、専門家に依頼する場合の報酬は別途かかります。

なお、この条文番号は変更されています(旧・第84条の2の3 → 現・第84条の2の2)。旧番号のまま解説している記事も残っているため、申請時は法務局の最新の案内をご確認ください。

出典:法務省「相続登記の申請義務化について」「同Q&A」、法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」

届出や登記の状況を整理してもらう

名義がいつのものか分からない、期限が過ぎているかもしれない、という場合もご相談ください。お手元に書類がなくても構いません。

農地の相続税について

国税庁は、農地の価額を純農地・中間農地・市街地周辺農地・市街地農地の4種類に区分して評価すると定めています。同じ「畑」でも、どこにあるかによって評価の方法が変わります。

相続税の申告が必要な場合、申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内です。具体的な評価額は土地ごとの条件によって大きく異なるため、申告が必要になりそうな場合は、農地の評価に慣れた税理士にご相談ください。

納税猶予を受けている農地は、動かす前の確認が要ります

農林水産省は、農地を相続した後、自ら農業を営む場合と、農地バンクに貸し付ける場合には、相続税の納税の一部が猶予されると案内しています。ただし、3大都市圏の特定市内かどうか、市街化区域かどうかなどによって適用条件が変わります。

ここが最も重要です。

農林水産省の資料によれば、猶予の適用を受けている農地について、特定貸付けなど制度上の例外に該当する場合を除き、譲渡・貸付け・転用・耕作放棄した面積が猶予適用農地面積の20%を超えると、原則として猶予税額の全てを納税しなければなりません。

つまり、納税猶予を受けている農地を「駐車場にしよう」「資材置場として貸そう」と考えた場合、大きな税負担が一度に発生する可能性があります。

猶予された税額が免除されるのは、農業相続人が死亡した場合や、後継者へ生前一括贈与をした場合などです。かつて「20年間営農すれば免除」という取扱いがありましたが、これは平成21年12月15日より前、あるいは平成30年9月1日より前に納税猶予の適用を受けた方に対する経過的な措置です。その場合であっても、猶予期間中に特定貸付け等を行うと終身農地利用に切り替わるとされています。

また、納税猶予の適用を継続して受ける場合は、原則として3年ごとに税務署へ継続届出書を提出する必要があります。適用している貸付制度などによって必要書類や取扱いが異なるため、所轄税務署と農業委員会へご確認ください。横浜市の場合、この際に必要となる証明書は各農業委員会で発行しています。

活用を検討する前に、納税猶予の適用状況を確認し、税理士にご相談ください。

出典:国税庁 タックスアンサーNo.4623・No.4205、農林水産省「農地相続ポータル」「農地を相続した場合の課税の特例」、横浜市中央農業委員会FAQ

相続した農地について考えられる5つの選択肢

選択肢制度上の扱い
自分で農業をする相続に伴う農業委員会への届出と相続登記は別途必要ですが、自ら耕作すること自体については、原則として追加の農地法上の許可は必要ありません。ただし、水路などの共同利用施設について賦課金の負担が必要な場合があります
農地のまま貸す・売る原則として農業委員会の許可が必要
農地バンク(農地中間管理機構)に貸し付ける自分で貸し先を探したり契約交渉をしたりせずに貸し付ける方法
転用して活用する自己所有の農地でも自由にはできません。区域によって手続きが大きく異なります
国に引き渡す相続土地国庫帰属制度。要件と負担金があります

農地バンクについて

農地バンク(農地中間管理機構)は、自分で借り手を探したり契約交渉をしたりせずに農地を貸し付けられる仕組みです。農林水産省も相続した農地の選択肢として案内しています。

納税猶予との関係では、農地中間管理事業による一定の特定貸付けは、要件を満たす場合、納税猶予を継続できることがあります。ただし適用条件は土地の区域等によって変わり、税務署への届出が必要になる場合もあります。

農地バンクを通じて貸付けが成立するかは、農地の場所や状態、地域の借受希望者の状況によって異なります。横浜市中央農業委員会は、中間管理による貸借の具体的な制度について、神奈川県農業会議(045-651-1703)へ相談するよう案内しています。あわせて、農地を管轄する農政事務所へもご確認ください。

相続した農地を「転用して活かす」という選択

農業をせず、農地のまま借りたい人も見つからない場合、所有者には農地以外の用途へ転用して活用するという道があります。

横浜市は、農地の転用について「農地を農地以外のものにすること、例えば駐車場、資材置場、住宅、道路等に変更すること」と説明しています。

そして重要なのが、転用したい農地の場所(区域)によって、手続きが大きく異なるという点です。横浜市は次のように整理しています。

区域扱い
市街化区域の農地転用届出が必要。農業委員会の窓口で届出
市街化調整区域のうち調整白地転用許可が必要。農業委員会で審議後、横浜市長の許可
市街化調整区域のうち農用地区域原則的に農地転用不可

調整白地であることは、転用が許可されることを意味するものではありません

農用地区域外の農地でも、農地の区分や周辺の状況、事業計画、資力、排水・接道などの条件によって、許可されない場合があります。用途によっては都市計画法その他の手続きも関係します。区域の確認はあくまで最初の確認であり、具体的な見込みについては農業委員会への事前相談が必要です。

つまり、市街化調整区域だから一律に検討の余地がない、というわけではありません。まず農用地区域に入っているかどうかを確認するところから始まります。

自分の農地がどの区域か調べる方法

  1. 市街化区域か市街化調整区域か

横浜市のまちづくり地図情報「i-マッピー」で調べられます。大項目の「都市計画による制限」から「用途地域等」を選択すると、区域が図示されます。

  1. 農用地区域に入っているか

まずeMAFF農地ナビ(農林水産省)で確認できます。 地図上で農地を選ぶと、所在・地番、地目、面積とあわせて農振法区分(農用地区域内かどうか)と都市計画法区分が表示されます。電話をかける前に、手元で当たりを付けられます。

ただし同サイトは「※市街化区域内の農地は、農地法上、非公表とされています。」としています。検索して出てこない場合でも、農地でないとは限りません。

確定的な確認が必要な場合は、土地の地番を調べたうえで、農地の所在区を管轄する農政事務所へお問い合わせください。

窓口電話対象区
北部農政事務所045-948-2477鶴見・神奈川・保土ケ谷・旭・港北・緑・青葉・都筑
南部農政事務所045-866-8491西・中・南・港南・磯子・金沢・戸塚・栄・泉・瀬谷

農用地区域の確認は「農政事務所」、転用の相談は「農業委員会」と、窓口が分かれています。電話番号も異なりますのでご注意ください。

参考:横浜市の農地の実際の姿

当サイトでeMAFF農地ナビの公表データ(横浜市内 32,259筆)を集計したところ、次のような分布でした。 面積・区別・地目の内訳はeMAFF公表分32,259筆の集計にまとめています。

項目
1筆あたり面積の中央値462㎡(約140坪)
300坪未満の割合79.3%
農用地区域内(青地)の割合35.0%
地目畑 90.0%/田 9.7%
賃借権等の設定がない割合93.2%

およそ3件に1件が農用地区域内(青地)です。 青地に当たると、転用の前に農用地区域から外す手続きが必要になり得るため、方向性を考える前の確認が効いてきます。 青地・白地の違いと除外の要件は農地の「青地」「白地」とはで整理しています。

集計は公表分に限られ、市街化区域内の農地は含まれません(出典:eMAFF農地ナビ 公表データ、2026年8月13日取得)。

横浜市中央農業委員会管轄の場合の時間の目安

横浜市中央農業委員会は、農地法の許可について事前相談から受付まで1か月以上かかることがあるとして、早めの相談を案内しています。また、許可を審議する総会は基本的に毎月26日に開催され、審議される案件は当月10日までに提出されたものに限られます。

思い立ってすぐに動かせるものではないため、方向性を決める段階から時間を見ておく必要があります。

なお、南西部農業委員会管轄の農地については、締切日や審議日程を南西部農業委員会へ直接ご確認ください。

出典:横浜市中央農業委員会FAQ、横浜市「農振農用地に指定されているかどうか知りたい」、農林水産省「農地相続ポータル」

この農地が活用できる土地か確認する

地番から、区域区分と次に確認すべきことを整理してお返しします。診断後にご契約いただく必要はありません。

横浜市で農地を相続された方へ

横浜市の農地面積は、令和2年(2020年)1月1日時点(固定資産概要調書)で約2,850ヘクタールです。

区分面積
市街化調整区域の農地約2,352ha
市街化区域の農地約498ha(うち生産緑地 約280ha)

横浜市内の農地面積の8割強は、市街化調整区域にあります。相続した農地についても、まず市街化区域・市街化調整区域のどちらに位置するかを確認することが、その後の判断の出発点になります。

出典:横浜市「横浜の農業」

放置した場合について

耕作されていない農地には、一定の要件に該当すると、固定資産税の評価額が引き上げられる仕組みがあります。ただし、放置すれば自動的に適用されるものではありません。

農林水産省の資料によれば、対象となるのは、農地法に基づき農業委員会が農地所有者に対して農地中間管理機構と協議すべきことを勧告した、農業振興地域内の遊休農地です。通常の農地の固定資産税の評価額は売買価格に0.55(限界収益率)を乗じて算定されますが、この勧告を受けた遊休農地についてはこの0.55を乗じないこととされ、通常の農地と比べて固定資産税の評価額が約1.8倍になります。平成29年度から実施されています。

重要なのは、勧告に至る前の段階があることです。農林水産省は、勧告前に実施される利用意向調査において所有者が機構への貸付けの意思を表明した場合には、機構側の事情で貸付けが行われていなくても勧告は行われない、としています。また、既に農地として再生不可能であるとして農業委員会が非農地と判断した場合にも勧告は行われません。

したがって、農業委員会から利用意向調査の通知が届いた場合には、放置せず回答することが重要です。

出典:農林水産省「遊休農地に関する固定資産税の課税の強化」

どうしても手放したいとき

相続放棄

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月の熟慮期間内に、単純承認・限定承認・相続放棄のいずれかをしなければならないとされています。申立先は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所です。

特定の財産だけを選んで放棄することはできません。 農地を放棄する場合、預貯金や自宅を含めた他の遺産も受け取れなくなります。

なお、この3か月の間に財産の状況を調べても判断できない場合には、家庭裁判所に期間伸長の申立てをすることができます。この申立ても、知った時から3か月以内に行う必要があります。

出典:裁判所「相続の放棄の申述」「相続の承認又は放棄の期間の伸長」

相続土地国庫帰属制度

農地を含め、相続した土地を国に引き渡せる制度があります。ただし要件があります。

国庫帰属が認められない土地の主な例

建物や担保権等がある土地、境界が明らかでない土地、土壌汚染がある土地、通常の管理・処分を妨げる工作物や埋設物がある土地、一定の要件に該当する崖がある土地などは、申請が却下されたり、審査の結果、不承認となったりする場合があります。

農地の場合の具体例として、農地バンクの中間管理権が設定されている場合や、土地改良賦課金が課されている場合が挙げられています。

相続土地国庫帰属制度の費用は次のとおりです(2026年8月時点)。

項目金額
審査手数料一筆14,000円
負担金(田・畑)面積にかかわらず20万円
負担金(一部の市街地〈市街化区域または用途地域が指定されている地域〉、農用地区域等の田・畑)面積に応じて算定。例:500㎡で約72万円、1,000㎡で約110万円

面積の単純比例ではなく、面積が大きくなるにつれて1㎡あたりの負担金額は低くなるとされています。制度の詳細は法務省のページをご確認ください。

出典:農林水産省「農地相続ポータル」、法務省「相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件」

相談先と当相談室の役割

相談先主な内容
農業委員会相続の届出、農地の貸借・売買・転用の相談、納税猶予の証明書
農政事務所(横浜市)農用地区域に該当するかの確認
神奈川県農業会議中間管理による貸借の制度
法務局・司法書士相続登記
税務署・税理士相続税の評価と申告、納税猶予
家庭裁判所・弁護士相続放棄、相続人間で争いがある場合

法務省は、相続登記の申請手続の代理や登記申請書の作成、これらの相談を業として行えるのは司法書士および弁護士に限られるとしています。

当相談室でできること・できないこと

できること

  • 農地の所在地と地番の整理
  • 市街化区域・市街化調整区域の別の確認
  • 農用地区域に該当するかの確認方法のご案内
  • 貸す・売る・転用する場合の相談先の整理
  • 登記・税務など、専門家への相談が必要な項目の洗い出し

できないこと

  • 相続登記の代理(司法書士・弁護士の業務です)
  • 相続税の申告や税額計算(税理士の業務です)
  • 農地転用許可が下りることの保証
  • 行政機関に代わる許認可の判断

よくあるご質問

農地の大きさは、どのくらいが一般的ですか?

eMAFF農地ナビの公表データでは、横浜市の農地1筆あたりの面積の中央値は約140坪(462㎡)で、300坪未満が79.3%でした(2026年8月時点、市街化区域内の農地を除く)。

相続登記と農業委員会への届出は、両方必要ですか?

両方必要です。農林水産省は、農地の相続について届出と登記がそれぞれ法律により義務付けられていると案内しています。農業委員会への届出は、法務局への相続登記とは別に必要な手続きです。

農業をするつもりがなくても、届出は必要ですか?

必要です。この届出は許可を求める手続きではなく、権利者が変わったことを届け出るものです。

遺産分割がまとまりません。

相続人申告登記という簡易な制度があります。ただし法務省は、相続人申告登記で果たせるのは基本的義務のみで、遺産分割成立後の追加的義務は果たせないとしています。暫定的な措置とお考えください。

相続登記の登録免許税はいくらですか?

原則として土地の価額の0.4%です。ただし価額が100万円以下の土地については、令和9年(2027年)3月31日まで登録免許税が課されません。申請書に根拠条項の記載が必要です。書類の取得実費や専門家報酬は別途かかります。

相続した農地を売ったり貸したりできますか?

農林水産省は、農地を貸す・売る場合は原則として農業委員会の許可が必要としています。

農地を駐車場や資材置場にできますか?

横浜市は、市街化区域の農地は転用届出、市街化調整区域のうち調整白地は転用許可が必要、農用地区域は原則的に農地転用不可と整理しています。まずご自身の農地がどの区域かを確認することからになります。なお、調整白地であっても許可されるとは限らず、農地の区分や事業計画、接道・排水などの条件による審査があります。

納税猶予を受けている農地を貸したり転用したりできますか?

慎重な確認が必要です。農林水産省の資料によれば、特定貸付けなど制度上の例外に該当する場合を除き、譲渡・貸付け・転用・耕作放棄した面積が猶予適用農地面積の20%を超えると、原則として猶予税額の全てを納税しなければならないとされています。動く前に税理士へご確認ください。

転用の手続きにはどれくらいかかりますか?

横浜市中央農業委員会は、事前相談から受付まで1か月以上かかることがあるとしています。審議する総会は基本的に毎月26日開催で、当月10日までに提出された案件が対象です。南西部農業委員会管轄の場合は、南西部農業委員会へご確認ください。

農地だけを相続放棄できますか?

できません。相続放棄は特定の財産だけを選べる制度ではなく、他の遺産も受け取れなくなります。期間は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月です。判断がつかない場合は、家庭裁判所に期間伸長の申立てをすることができます。

遠方に住んでいて管理できません。

農林水産省は、相続したものの地元を離れていて管理ができない場合には、農業委員会が管理の相談や借り手探しを手伝うと案内しています。まず管轄の農業委員会にお問い合わせください。当相談室でも状況の整理をお手伝いしています。

相談するとき、何を持っていけばいいですか?

固定資産税の納税通知書(課税明細書)、登記事項証明書、公図があるとスムーズですが、お手元になくても構いません。所在地の地番だけでもご相談いただけます。

まずは、お持ちの農地の状況を整理するところから

相続放棄を検討する場合は、まず3か月の期限と財産全体を確認します。農地を相続する方針が決まったら、農業委員会への届出、相続登記、相続税申告の期限を整理し、そのうえで土地の活用方法を検討します。

そして活用方法を決めるには、その農地がどの区域にあるのかを知ることが出発点になります。

  • 地番がわかればご相談いただけます
  • 費用はかかりません
  • 診断後にご契約いただく必要はありません

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お電話でのご相談: 03-6869-4326(受付 平日10:00〜17:00)/フォームは24時間受付

免責

本ページに掲載する制度・期限・数値は、農林水産省・法務省・法務局・国税庁・裁判所・横浜市が公表している一次情報を確認して記載しています。ただし、個別の農地について取れる手続きや結果は、土地の状況・相続関係・区域指定によって異なります。実際の手続きにあたっては、司法書士・行政書士・税理士等の有資格者、および所管の行政窓口にご確認ください。

制度は改正されることがあります。本ページの最終確認日は2026年8月1日です。

  • 運営: 株式会社ビズファン(神奈川県川崎支店 〒213-0001 神奈川県川崎市高津区溝口2-12-7)
  • 連絡先: 03-6869-4326(受付 平日10:00〜17:00)
  • 執筆: 横浜 農地・調整区域 活用相談室 編集部
  • 最終更新: 2026年8月1日